弥蛇山 明臣によく似ているとされる蛇の写真
氏名: 弥蛇山 明臣(みだやま あきおみ)
セキュリティクリアランスレベル: 4
役職: サイト-81██研究部 非実体研究グループ長。上席研究員。 霊的現象学研究室 室長。
職務: 霊的現象の再現・解析。
プロフィール: 蛇のような雰囲気の男性職員です。独特な表現力を持っているため、「一般的」という感覚を意図的に避ける傾向があり、基本的にミスマッチでちぐはぐな行動を取ります。それは「奇人に思われたい」という思いが強いからです。「清潔感」と「若さ」を大事にし、服装や爽やかな表情、生活習慣を整え肌艶や体型の維持などで、第一印象を良くすることを心がけていますが、その後の変人アピールを成功させたいから行っているそうです。
収容下にある異常現象を再現する事で、収容方法の発明や仕組みを解析する研究を行っています。現在までに様々な現象の再現方法を発見していますが、その現象の再現方法はかなり独特であり、恐らく正しい手順を踏んでいないと思われるものがほとんどです。メチャクチャな理論形態や偏った専門知識を有していますが、それはネットサーフィンなどをしながら独学で知識を身につけたためです。霊的現象を「プログラムのバグみたいなもの」と理解しており、再現実験を「デバック」と称します。提出された論文の内容は、ガバガバで頭が痛くなるようなものであり、科学者にも呪術の専門家にも本人すら理解できないものです。
科学者は、ゲームでいう公式が認めた正規の枠組みの中で、最適を目指すみたいなものだと思います。最上位プレイヤーの発見は、徐々にプレイヤー全体に広まっていきます。
呪術師や魔法使いは、開発者が意図的にプログラムし公表されていないコマンド技を扱うものだと思います。簡単に言うと、裏技使いです。コツが必要な事もあります。
そして僕は、開発者が意図していない挙動を利用しているバグ使いです。科学者も呪術師も名乗れません。バグを見つけるのがうまいだけです。
見つけるコツは、普通はやらなくていいことをする事です。例えば、一日一万回、感謝のエビぞりをしてみた時に発見したのは、関節の無い人間を視界の端に一瞬だけ具現化する方法です。不思議ですね。この世界は非常に複雑なプログラムを組んでいるみたいなので、こういうバグが多いようです。 - 弥蛇山博士
弥蛇山博士の大きな功績として、「虫拳術式」、「残留思念複製法」、「精神覚醒理論」という3つの収容技術の発見があります。いずれも、分かったようで分からない不安定な理論で構築されていますが、一定の評価を得ています。
- 虫拳術式
一定の段階を踏んで規模が大きくなったり、性質が変化していく現象の一部をループさせ、途中で進行不可能にする技術です。基本的な仕組みとしては、虫拳(ジャンケン)のように三竦みの状態にする異常現象を引き起こす事というものです。
(例:①対象人物が儀式手順を遂行する事によって現象の規模が拡大する性質の場合、②現象の規模にリンクして収容担当職員の爪が伸び縮みする異常現象を引き起こし、③手順遂行の成功によって拡大する規模が大きくなることを条件に、最初の儀式手順にその収容担当職員の爪を切る手順を追加させます。→結果的に爪を切り続けるだけで、現象の拡大が起きなくなります。)
これは、現象の進行に同調したり、エージェント・滑久寺のように影響を受けやすい霊媒体質の職員が一定数存在している事と、行われる事象の強化を目的とした手順の追加(制約と誓約を設ける代償としてのパフォーマンスの向上)は、意外と成功しやすい事に着目して生み出されたものです。制約による条件をあえて破り、異常性の活性化を不可能にし無力化する運用方法も検討されています。
- 残留思念複製法
死亡した人間の人格を、かなりの精度で再現する技術です。ただし、死者蘇生の理論としては不完全なものです。まずは死亡した人間の肉体の一部から遺伝情報を読み取り、疑似人格を形成します。形成された疑似人格は情報化され、人工知能による補助を受け自立します。しかし、この段階では記憶や人格の完全再現は出来ておらず、「魂が乗っていない」とも形容される状態です。
それを補うために生み出されたのが、「残留思念複製法」です。この理論中では、「魂の情報」=「容れ物が死亡した後、その場に宿る・残る・記憶される情報」=「残留思念」と扱われます。そして、その情報は元から存在する素粒子的な何らかの構成物質のオンオフが切り替えられ、元々のもともと存在するものの見え方が変わるだけ。という複数のSF作品などに見られる未知の理論を下敷きにしています。つまり「残留思念」は移動できませんが、そこに宿る情報さえ複製できれば良いわけです。
残留思念の複製のため、まずその場の素粒子の信号情報を記録しておきます。この状態では、どれが目的の情報なのか分からないため無意味な情報です。そこから残留思念を解析するため、形成した疑似人格を何らかの生物の容れ物に入れ、終了します。すると、その疑似人格の情報が残留思念としてその場に記録されます。その状態で信号情報を記録し、追加された情報を抜き出してパターンを解析しておきます。そのパターンに似た情報を検索し、疑似人格に再現します。完璧に再現する必要はありません。科学的には数値の変化が見られなかったとしても、人格再現が何故かかなりの精度となっています。
これで、不完全ながら核となる魂の情報が乗った疑似人格を作る事が出来ます。財団所属の科学者の多くは理解できず認めていませんが、これまで実験が行われた40例以上で、すべて成功している上に誰が行っても同様の結果が出るため、疑似人格作成の際の基本的な手順に組み込まれています。
- 精神覚醒理論
「残留思念複製法」で作成した疑似人格の精神を覚醒させ、何らかの異常な能力に目覚めさせる理論です。これは、ネットなどに転がっているイマイチ信用できないスピリチュアルで哲学的な記事を読み漁っている時に、思いついたものです。この理論は、3つの段階を経て完成されます。
1.精神の覚醒
自分の生前の情報を、自ら徹底的に調べる事で、本来の自分という存在を見つめなおします。そして、何となく悟らせた気分にさせます。
2.肉体の覚醒
魂の乗った疑似人格が入れられている容れ物を、最適化を続ける人工知能にすることで、生前の状態では処理できなかった未知の領域の働きを再現します。
3.魂の覚醒
魂が乗っていて感情を持ち、悟ったと思い込んでいる疑似人格に「君は何かの特殊能力に目覚める」みたいな適当な嘘を吹き込み(インプット)、繰り返し色んな実験を行い(アウトプット)、自分で考え色々と改善させていきます(フィードバック)。すると、不思議と様々な能力に目覚めるようになります。
基本的に人工知能の学習能力と成長速度に依存した理論ではありますが、ここに弥蛇山博士からの直接指導が入ることで、成功率が100%になっています。
弥蛇山博士は財団に雇用される以前は、一般の会社に勤めながら、趣味でパワースポット巡りをしつつ、風水に凝りながらヨガをして癒しを求めている普通の人でした。たまたま特殊な才能を持っていたために財団に関わる事になりましたが、本心は財団と関わりたくはなかったそうです。奇人アピールも、人と関わりたくない本心によるものです。
会社に勤めていた頃は、疲弊していましたよ。社会性が乏しく、常識に欠けていて、思いやりの気持ちを持っていないのに、営業の仕事なんてしてたら当然ですが。長く勤めている内に、外面を良くして最低限の仕事は出来るようになりましたが、楽しさなんてありませんでした。だから、孤独に陥って現実が嫌になってしまったので、スピリチュアルにハマりました。そんな自分だからこそ、バグを見つける才能に目覚める事が出来たのかもしれません。神も仕事が嫌になったのか、バグを修正する気が無いようなので、やりたい放題です。
……ちょっと真面目過ぎたので、今、この場でいきなりヨガをしてふざける事にします。
はい、ウッティターハスタパーダングシュターサナ!(足の親指をつかんで伸ばすポーズを取る)
お次はウルドヴァ・プラサリータ・エカ・パダーサナです!(立位の前後開脚)
最後にパリヴルッタパールシュヴァコーナーサナ!(ねじった横に伸ばすポーズ)
ハァ…ハァ…。変な奴ですよね、僕。 - 弥蛇山博士



